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LIU Lijie
《9日間雨が降り続けた》
石、石版画、針、糸、カッティングシート、オフセットプリント、映像 2021
今回の展示は空間によって、元レンタルビデオショップであった場所の記憶、本、知識、そこから私の小学生の頃の記憶を含み、仮想の空間を作ることを考えました。その空間にあらゆる日常の物事に潜む記号、思い出、感情を素材として表し、そして、この空間にいる人々に各自の思い出を頼りに思考を巡らせながら、自分の中に新たな共鳴を蘇らせてほしいと思います。
「9日間雨が降り続けた」は、劉李杰によって言葉と記憶、イメージが丁寧にそしてひそやかに紡がれる中、見る者それぞれにある種の「星座」を浮かび上がせようと試みる。浮かび上がる「星座」は人によって異なり、時には何も浮かばない者もいるだろう。それでも劉は、個々の作品や展示のわかりやすい説明や答えを提供するのではなく、その人なりの「星座」の顕われ方、見え方の可能性に心を寄せ、そのための余地を残すことを大事にしているのだ。《星のように輝いてほしい》という文字による出品作品は、そのようなことも示唆しているのではないだろうか。
京都精華大学専任教授 / 元金沢21世紀美術館学芸員 吉岡恵美子
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